大阪体育大学ハンドボール部男子は10月5日(土)、関西学生秋季リーグの最終戦で同志社大学を39―31で降し、全勝優勝。2季ぶり84回目の関西王者となりました。春に5連覇を阻まれた関西学院大に雪辱したかたちですが、下川真良監督にリーグ優勝の感慨は「全然ない」。照準は1か月後に迫ったインカレでのV奪還にのみに絞っています。
秋季リーグでは、春季に引き分けて得失点差で屈した関西学院大学に35―29で勝利。最終戦のこの日は、インカレでメンバーから外れる4年生にとって〝引退試合?となり、4年生主体の起用となりました。
下川監督はリーグ優勝について、「勝ってうれしいではなく、どう選手が成長しているか。勝つことは大切だが、今の目標はインカレ優勝であり、照準はそちらに置く」
大阪体育大学ハンドボール部男子は、全日本インカレ10回の優勝を誇りますが、2018年の優勝を最後に6年、頂点から遠ざかっています。
チームは8月に西日本インカレを制しましたが、そこでけが人が相次ぎ、先々週からようやく復帰した状況といいます。下川監督は「インカレまであと1か月。けが人がインカレまでにどこまで戻って来られるか」と話します。
リーグ最終戦翌日の6日は、日本選手権の大阪予選で日本リーグ(リーグH)のアルバモス大阪と対戦します。下川監督はチーム強化のためには、試合経験を数多く積ませることが何よりも必要だと言います。「ヨーロッパだったらリーグ戦は年間100試合ぐらいあるが、日本では、日本リーグですら試合が少ない。大学生はさらに少ない」。選手に少しでも多く実戦を経験させたいが、壁になっているのが物価の高騰。「50人移動したら大金がとんでいく。特に貸切バス料金の高騰がすごく、なかなか出ていけない」。部として遠征費の支援を募るクラウドファンディングを始めるなど、知恵を絞っています。
荒瀬廉主将(体育4年、神戸国際大学附属高校出身)は、インカレV奪回へのカギは「個々のスキルアップ」と語ります。「一人ひとりが自分の役割を果たすというか、役割を分かることが大事だ。個人がスキルアップしたうえでチームが一つになったら勝負できる」
荒瀬主将は8月、男子日本代表の新監督に就任したトニー?ジローナ氏(スペイン)から、橘光太郎選手(体育2年、大阪体育大学浪商高校出身)、林優尊選手(体育4年、同)とともに初戦の国際大会で代表に招集されました。U-21では主将として7月のジュニアアジア選手権(ヨルダン)で優勝しましたが、フル代表は初。「自分のような小さな選手でもできるというところをどんどん見せていきたい。みんなの前で変なミスができないという責任感が生まれ、それがいいプレッシャーになっている」と語ります。
インカレでは、2023年(準決勝)、2022年(準々決勝)、2021年(決勝)、2019年(準々決勝、2020年はコロナ禍で中止)と、2018年のV10以降はすべて中央大学に屈しています。荒瀬主将は「自分が入学してから、ずっと中央大学に負けている。準決勝まで勝ち上がると日体大と対戦すると思う。そこで力を発揮して、最後に決勝で中央大を倒して優勝したい」。関西学生リーグのV84がインカレ復活優勝への序章となるのでしょうか。全日本インカレは11月6~10日、広島市で開催されます。
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