大阪体育大学ハンドボール部女子が未踏の領域を歩み続けています。10月6日(日)、関西学生秋季リーグの最終戦で関西福祉科学大学を39―18で降し、全勝優勝。連覇を21季連続に伸ばし44回目の優勝を飾りました。昨年、連覇記録を「10」の大台に乗せた全日本インカレが1か月後に迫っています。連覇への意識は。楠本繁生監督に聞きました。
大阪体育大学にとって秋季リーグのテーマは、各選手が3回ユニホームを着て出場すること。普段は試合に出ていない選手にも思い切ってチャレンジさせることが狙いで、この日のリーグ戦最終戦でも、日本代表を務めた石川空選手(体育4年、大分鶴崎高校出身)、吉野珊珠選手(体育4年、名古屋経済大学市邨高校出身)は不出場。それでも、前半で20―10と大差をつけ、層の厚さを見せつけました。
全日本インカレは11月6~10日、広島市で開催されます。
インカレまでの課題について、楠本監督は「いかにけが人を出さずに臨むか」と語ります。ハンドボールは激しいコンタクトが競技の特性でもあり、けがはつきもの。すでにアキレス腱を切った選手もいます。この試合でも選手が相手とのバッティングで顔から出血しました。それでも、楠本監督は「相手がどうのこうのではなく、自分たちがけが人を出さずにいいコンディションで戦い抜くことが一番大きなことだ」といいます。
昨年の全日本インカレで、最多連覇記録をついに「10」とし、関西運動記者クラブ選出で権威のある関西スポーツ賞を阪神タイガースなどとともに受賞。改めて注目を集めました。節目を通過した後の新たな歩みについて楠本監督に聞くと、「10も11も関係ない」。「ぼくは、連覇は周りが言うほど気にしていない。今年のチームをどうするか、その1点だけで臨んでいる」と断言します。
楠本監督は2021年から日本代表監督を兼任し、昨年は48年ぶりの五輪自力出場に精魂を注ぎ、大学ではほとんど指導できませんでした。今年はパリ五輪出場をあと一歩で逃した悔しさをのみ込み、「今年は大学で選手に携わっている時間が長いので、その分の成果を出したい」と話します。
昨年は楠本監督の不在を藤井愛子主将(現香川銀行)がまとめましたが、今年はあえて主将を置きません。「キャプテン1人に頼るのではなく、それぞれが自分でリーダーシップを取り、自分が思っていることを発言し、チームにとって何が自分の役割なのか考えてほしいからだ」
「これまで、インカレはなんやかんやと言いながら、最後は4年生が頑張った。今年、4年生がインカレまでに自覚を持てるかどうかが、チームをあと一つも二つもバージョンアップするためのポイント」。連覇のバトンを後輩に託すことができるのか。4年生にとっては集大成の場となります。
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