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2024.11.10

ハンドボール全日本インカレで女子が前人未到の11連覇達成 男子は中央大学に屈するもスピード活かし準優勝

 ハンドボールの高松宮記念杯男子第67回?女子第60回全日本学生選手権大会は11月10日(日)、広島県立総合体育館で男女の決勝が行われ、本学女子は筑波大学を36―30(前半17―14)で降して、最長連覇記録をさらに更新する11連覇(12回目優勝)を達成しました。男子は3連覇中の中央大学に35―37(前半15―18)で敗れ、5大会ぶり11回目の優勝は果たせませんでした。

11連覇を達成し、11回胴上げされる楠本繁生監督


 また、優秀選手賞に、女子は石川空(体育学部4年、大分鶴崎高校出身)、濵口まお(体育学部4年、四天王寺高校出身)、福井すみれ(体育学部4年、名古屋経済大学市邨高校出身)、比嘉楓(体育学部3年、那覇西高校出身)が、男子は荒瀬廉(体育学部4年、神戸国際高校出身)、田代優樹(体育学部4年、大阪体育大学浪商高校出身)が選ばれ、特別賞を橘光太郎(体育学部2年、同)が受賞しました。

<女子>
 女子は2018年に新記録の6連覇を達成して以来、男女を通じた最長連覇記録を更新し続けています。
 前人未到の連覇記録を重ね、無敵に見えますが、11連覇までの道のりは決して順風満帆ではありませんでした。昨年から主力だった高来葵美(体育学部3年、小松商業高校出身)が直前にアキレス腱断裂で戦列を離れました。関西学生春季リーグで最優秀選手になるなど好調だったGKの中村理乃(体育学部4年、髙津高校出身)も右ひざの前十字靭帯を損傷しました。さらに、日本代表でチームの精神的支柱の石川も約2週間前、練習中に右手中指を骨折して手術。利き手の左手でなかったのが救いでしたが、万全の状態ではない中、患部を固定して試合に臨みました。チームは今季、主将を置かず、4年生を中心にチーム一丸で臨みました。

骨折した右手中指を固定しプレーする石川空


濵口まお


福井すみれ


比嘉楓

 楠本繁生監督に聞きました。
――優勝を決めて
 大学生にとってインカレは1年で1回しかない大会。選手にとっては一生に一回の経験にもなるので、そこに出場できるチャンスがあること、試合ができることに感謝してほしいと毎年思っている。今日、試合を見ていただいた方が、日本の女子ハンドボール界が男子に追いつけ追い越せで頑張っている姿を感じてもらえたらいい。
――決勝の試合展開は
 個の力は、一人ひとりを足し算すると相手が上だと思っているので、「個の力」対「チームの組織力」。どちらが上回るかが勝敗の分かれ目になる、体大の組織力がどう個を封じていけるかが勝敗を分けるポイントだとミーティングで選手に言っていた。そういう面では、チーム力で少し上回ったのではないかと思う。
――日本選手権に向けて
 決勝では、ディフェンス面でも攻撃面でも課題はあった。筑波大学の力をお借りして、うちの課題が見えたと思う。何が足りなかったのか、勝った喜びは横に置いて、明日から12月の日本選手権に向けて、エンジンをかけていこうと思う。

<男子>
 男子にとって、中央大学は長年、立ちはだかる高い壁です。2019年は準々決勝で25―29、2020年のコロナ禍による中止をはさみ、2021年は決勝で28―32、2022年は準々決勝で31―34、昨年は準決勝で32―33。2018年のV10以降はすべての大会で中央大学に敗れました。登録メンバー中190?台を3人、180?台を14人擁する大型チームの中央大学に対し、大阪体育大学は、180?台が4人だけ。160?台の8人を含め、小柄な選手がスピーディーに走り切るハンドボールで雪辱を期しましたが、頂点は奪還できませんでした。

荒瀬廉


田代優樹


橘光太郎(左)


 下川真良監督に聞きました。
――あと一歩及ばなかった
 悔しいが、選手が決勝という最高の舞台まで連れてきてくれたのはうれしい限り。最後まで自分たちの持ち味の「走り切る」ハンドボールをやってくれた。でも、勝たせてあげたかった。
――相手とは体格差があった
 大型化したチームが多い中で、関西学生リーグの中でも低い、小さな選手が多いチームがスピードを活かしてここまで勝ち上がることは、あまり予想されていなかったのではないか。自分自身プレーヤーの時に「小さくてもできる」ということを見せたくてプレーしてきた。また、男女同時優勝をしたかったという思いも、女子の楠本先生から受け取ったバトンをつなぎたいという思いもあったので、その点は悔しい。
――頂点奪還のために何が必要か
 学生が負けたことを受け止めて、伝承していく。自分たちの悔しさを下に伝えながら「もっとこうせなあかん」とか、学生たちが自分で考えて「こうしよう、ああしよう」というチームになっていったら強くなるし、それはかなりできてきているような気がしている。

荒瀬廉主将
 「悔しい」のひとこと。でも、小さい集まりでやってきて、「小さい奴でもできる」という点は見せられた。自分たちのハンドボールはいつでも走ること。その中で大きな動きをして相手ディフェンスを動かし、すきをついて走り込んでシュートする。今日は、そこは見せられたが、自分たちが守り切れていない部分があり、そこが一番しんどかった。

 男女決勝はBS松竹東急(BS260)でライブ配信されました。TVでの放送終了後1週間、見逃し配信が視聴可能です。

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